【セルフチェック】その症状は花粉が原因?風邪が原因?違いを見極める方法や治療法を紹介

花粉症

春が訪れると、くしゃみや鼻水に悩まされる人が増えます。

風邪? それとも花粉症? そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

実は風邪と花粉症は症状が似ている部分があるものの、根本的な原因が異なります。そのため、適切な対策を取るには違いを正しく理解することが大切です。

本記事では、風邪と花粉症の違いをチェックするポイントを解説して花粉症の原因や発症のメカニズム、飛散時期、花粉症のセルフケア方法や治療法について紹介します。

風邪と花粉症は、どちらもくしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの症状が現れるため、見分けがつきにくいことがあります。

しかし、原因や症状の持続期間が異なるため、いくつかのポイントを押さえれば簡単に見分けることが可能です。

ここでは、風邪と花粉症の違いを確認するための4つのセルフチェック項目を紹介します。

発症のタイミングと期間

✓ 急に症状が出て1週間程度で治る場合は風邪の可能性が高い
✓ 毎年同じ時期に症状が出て、長期間続く場合は花粉症の可能性が高い

花粉症は季節性があるため、毎年の発症時期を意識すると判断しやすくなります。

項目風邪花粉症
発症のタイミングウイルス感染後、1~3日で急に発症特定の季節に花粉が飛散すると発症。毎年同じ時期に症状が現れる
症状の持続期間1週間から10日ほどで自然に回復花粉が飛んでいる期間中(数週間~数ヶ月間)続く
症状の変化喉の痛みやくしゃみから始まり、数日後に鼻水・鼻詰まりが悪化。発熱や倦怠感を伴うこともある。突然発症するのではなく、花粉が飛び始めると徐々に悪化。花粉が多い日や外出時に特に症状がひどくなる。

くしゃみや鼻水の特徴

✓ くしゃみが連続で止まらず、朝や外出時に悪化する場合は風邪の可能性が高い
✓ 鼻水が粘り気を帯びて黄色や緑色に変わる場合は花粉症の可能性が高い

風邪はウイルスによる感染症のため、鼻水の性質が時間とともに変わります。一方、花粉症はアレルギー反応のため、症状が長期間続き、くしゃみや鼻水が頻繁に出るのが特徴です。

項目風邪花粉症
くしゃみくしゃみは出るが、頻度は少なめ連続して出ることが多く、頻度が高い
鼻水の特徴最初は透明でサラサラしているが、数日後に黄色や緑色の粘り気のある鼻水に変化水のようにサラサラした透明な鼻水が長期間続く

発熱の有無

✓ 高熱(38℃以上)や強い倦怠感がある場合は風邪の可能性が高い
✓ 発熱はなく、くしゃみや鼻水が長期間続く場合は花粉症の可能性が高い

風邪の場合は発熱とともに体がだるくなることが多いですが、花粉症は発熱することがほぼなく、もし熱が出ても微熱程度です。発熱の有無をチェックすることで、風邪と花粉症を見分けやすくなります

項目風邪花粉症
発熱の有無発熱することが多い基本的に発熱しない
発熱の特徴発熱は軽度~高熱まで幅広い。特に喉の痛みや倦怠感を伴うことが多い。発熱することはまれだが、アレルギー反応による微熱(37℃前後)が出ることがある。

目のかゆみの有無

✓ 目のかゆみはなく、発熱や喉の痛みがある場合は風邪の可能性が高い
✓ 目のかゆみがある場合は花粉症の可能性が高い

目のかゆみは、花粉症を見分けるうえで非常に重要なポイントです。特に春や秋の花粉の多い時期に目のかゆみが出る場合は花粉症を疑いましょう。

項目風邪花粉症
目のかゆみほとんどない強いかゆみがある
その他の目の症状まれに充血や涙目になることがあるが、主な症状ではない。充血、涙目、まぶたの腫れが起こりやすい。コンタクトレンズを装着していると悪化することも。

チェック項目から風邪だと思う方でもオンライン診療NOWで診察が可能です。医師に相談して適切な薬を出してもらいましょう。

花粉症とは、植物の花粉が原因となって引き起こされるアレルギー性の疾患です。くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が特徴で、特定の季節になると症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれます。

日本では、スギやヒノキの花粉が代表的な原因となりますが、地域によってはブタクサやイネ科の植物も影響を及ぼします。花粉が飛散する時期になると、アレルギー体質の人は免疫システムが過剰に反応し、さまざまな症状が発生します。

花粉症が発症する原因

花粉症は、体の免疫システムが花粉をアレルゲンと認識し、過剰に反応することで発症します。本来、免疫はウイルスや細菌から体を守る役割を持っていますが、花粉症の場合は無害な花粉に対して過剰に反応してくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こすのです。

一度発症すると毎年同じ時期に症状が現れることが多いですが、ある日突然発症することもあります。

花粉の蓄積量がアレルギーの許容量を超えると症状が出るため、これまで花粉症ではなかった人でも、ある日突然発症することがあるので注意が必要です。

花粉症が発症する主な原因は以下の通りです。

花粉症は遺伝的要因が関係しており、家族に花粉症の人がいる場合は発症しやすい傾向があります。

また、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎を持っている人は、花粉症になりやすいとされています。

長期間にわたって大量の花粉を浴びることで、花粉症を発症するリスクが高まると考えられています。

特に、都会に住んでいる人は排気ガスなどの影響で花粉が細かくなり、鼻や喉に付着しやすいため症状が悪化しやすいです。

不規則な生活やストレス、睡眠不足、偏った食生活なども花粉症の発症リスクを高める要因とされています。

免疫バランスが崩れることで、花粉に対する過剰な反応が起こりやすくなります。

花粉症の原因となる植物

花粉症を引き起こす植物は日本全国に広く分布しています。

特に代表的なものとしてスギやヒノキ、ブタクサ、ヨモギ、イネ科植物などがあります

花粉が飛散する時期や地域によって症状が悪化しやすい時期が異なるため、自分の住んでいる地域の花粉情報を把握しておくことが重要です。

植物名飛散時期主な症状主な分布
スギ2月~4月鼻水・鼻詰まり・くしゃみ・目のかゆみ全国(特に関東・東北・九州で多い)
ヒノキ3月~5月スギよりは症状が軽いが、目や鼻の症状が出る全国(特に関東・東海地方で多い)
ブタクサ8月~10月くしゃみ・鼻水・目のかゆみが強く出る全国(特に関東・東海地方で多い)
ヨモギ8月~10月ブタクサと同様の症状が出るが、若干軽め全国(特に都市部や河川敷に多い)
イネ科植物4月~10月主に鼻炎症状が強く出るが、目の症状もあり全国(特に水田周辺や河川敷に多い)

花粉の飛散時期

特に日本では、スギやヒノキの春花粉、ブタクサやヨモギの秋花粉、イネ科植物の長期間飛散が特徴ですが、関東と関西に分けて主要な花粉の飛散時期を解説します。

関東地方はスギやヒノキの花粉量が多く、春の花粉症が特に強く出やすい地域です。

植物名飛散時期特徴
スギ2月~4月日本で最も多い花粉症の原因。関東では特に飛散量が多い。
ヒノキ3月~5月スギ花粉のピークが終わると飛散開始。スギ花粉症の人はヒノキにも反応しやすい。
イネ科植物(カモガヤなど)4月~10月長期間飛散し、水田や公園、河川敷に多く見られる。
ブタクサ8月~10月秋花粉の代表。関東でも飛散量が多く、くしゃみや鼻炎を引き起こす。
ヨモギ8月~10月ブタクサと同じ時期に飛散し、症状が似ている。

関西地方も花粉の影響を受けやすいですが、ヒノキ花粉の飛散量が関東よりも多いのが特徴です。

植物名飛散時期特徴
スギ2月~4月関西でも飛散量が多いが、関東よりやや少なめ。
ヒノキ3月~5月関西はヒノキ花粉の飛散量が特に多く、春の後半に症状が悪化することが多い。
イネ科植物(カモガヤなど)4月~10月春から秋にかけて飛散し続ける。特に河川敷や草地に多い。
ブタクサ8月~10月秋の花粉症の主な原因。関西でも広範囲に飛散する。
ヨモギ8月~10月ブタクサと同じ時期に飛散し、症状が出る人が多い。

花粉症の症状を抑えるためには毎日のセルフケアが重要。花粉の飛散を完全に防ぐことはできませんが、対策を講じることで症状を軽減することが可能です。

ここでは、外出時・室内・生活習慣の3つのポイントに分けて、効果的なケア方法を紹介します。

外出時の対策を行う

外出時は花粉を体内に取り込まない工夫が重要です。不織布マスクやN95マスクは花粉の侵入を効果的に防ぎ、メガネも目のかゆみ対策に有効です。

特に花粉対策用メガネはより高い防御力があります。衣類はポリエステルなど花粉が付きにくい素材を選び、帽子で髪への付着も防ぎましょう。

帰宅後は玄関で衣服や髪の花粉を払い、手洗い・洗顔・うがいを徹底することが大切です。

コンタクトレンズの使用中は、花粉の影響で目の不快感が増すことがあるため、メガネへの切り替えも検討しましょう。これらの対策を意識することで、外出時の花粉症の症状を軽減できます。

室内での対策を行う

室内では、花粉を持ち込まない・溜めない工夫が重要です。

・換気は花粉が少ない早朝や深夜の時間帯に短時間で行う
・カーテンや網戸にも花粉が付着するため、定期的に洗う
・空気清浄機はHEPAフィルター付きのものを使用して手入れをする
・床に落ちた花粉を取り除くために水拭きを取り入れる
・玄関や窓際は花粉が溜まりやすいため重点的に清掃する

その他、布団やカーペットも花粉が付着しやすいため、布団クリーナーや乾燥機を活用すると清潔な環境を保てます。毎日のこまめな対策が、室内での症状軽減につながります

生活習慣の改善で免疫力をアップする

花粉症の症状を和らげるには、免疫バランスを整える生活習慣が欠かせません。

・乳酸菌を含む発酵食品や、青魚、緑茶、甜茶などを取り入れる
・糖質や脂質の多い食事は控える
・睡眠は7時間以上を目安に取る
・質の良い睡眠で免疫機能の回復を図る
・ストレスをできるだけ貯めない

無理のない範囲でウォーキングやストレッチなどの軽い運動取り入れると、血流が改善され免疫力の維持につながります

花粉症の症状を抑えるためには、セルフケアだけでなく適切な治療を受けることも重要です。

花粉症の治療方法には、薬物療法・アレルゲン免疫療法・手術療法などがあり、症状の重さや体質に合わせて選択できます。

① 薬物療法(花粉症の症状を和らげる)

薬物療法は最も一般的な治療法で、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗アレルギー点眼薬などが使用されます

くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を抑える効果があり、市販薬でも購入できますが症状が強い場合は医師に相談して処方薬を使用するのが効果的です。

② アレルゲン免疫療法(花粉症の根本治療)

根本的な改善を目指す場合は、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)が有効です。

この治療は、スギ花粉などのアレルゲンを少量ずつ体に取り込み、免疫を慣れさせることで、花粉症の症状を軽減する方法です。

治療には3年以上の継続が必要ですが、多くの人が症状の改善を実感しています。ただし、治療は花粉の飛散時期ではなく、シーズンオフに開始する必要があります。

③ 手術療法(重症の花粉症向け)

症状が重く、薬の効果が得られない場合は、手術療法も選択肢になります。鼻の粘膜をレーザーで焼く治療や、鼻詰まりを解消する下鼻甲介手術などがあります。

手術は即効性がありますが、効果の持続期間には個人差があり、他の治療と組み合わせるのが理想的です。

花粉症の治療にはさまざまな方法があり、症状の重さやライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。

軽症であれば市販薬や処方薬での対処が可能ですが、症状が長引く場合や根本的な改善を求めるなら、専門医に相談し適切な治療を受けることをおすすめします。

風邪はウイルス感染によって引き起こされるため、根本的に治す特効薬はありません。

そのため、症状を和らげながら体の回復を促すことが治療の基本となります。治療方法は、大きく分けて対症療法・生活習慣の改善・自然治癒の促進の3つのアプローチがあります。

①対症療法としての薬を使用する

風邪薬はウイルスを直接攻撃するものではなく、発熱、喉の痛み、鼻水、咳などの症状を和らげるために使われます。

アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤は発熱や頭痛を和らげ、咳止めや鼻炎薬は咳や鼻水を軽減します。

また、喉の炎症を抑えるためにトローチやうがい薬を活用するのも効果的です。ただし、風邪の原因がウイルスであるため抗生物質は効果がなく、不必要に使用すると耐性菌のリスクが高まるため注意が必要です。

②生活習慣の改善をおこなう

十分な睡眠をとって体を休めることで免疫力が高まり、ウイルスを撃退しやすくなります

また、適度な水分補給を行うことで、喉や鼻の粘膜を潤し症状の悪化を防ぐことができます。

食事では、ビタミンCや亜鉛を含む柑橘類、緑黄色野菜、牡蠣などの食品を積極的に摂取することで、免疫機能を高める効果も見込めるでしょう。

③自然治癒

部屋の湿度を50~60%に保つことで喉や鼻の粘膜を乾燥から守り、ウイルスの増殖を抑えることができます。

また、生姜湯、はちみつレモン、白湯などの温かい飲み物を摂取することで、体を温めて血流を良くし、回復を早めることができます。

風邪は基本的に1週間程度で自然に治るものですが、高熱が続く・呼吸が苦しい・強い倦怠感がある場合は、別の病気の可能性もあるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。

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